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ベルカ、吠えないのか?

なんなんだ？この小説は。今まで数多くの本に遭遇してきましたが、こんな小説は読んだことありません。あらゆる意味で規格外。いや、これは驚きました。ものすごい話。圧倒的に凄まじい暴力的な描写には勢いがほとばしり、筆を勢いのまま走らせているかに見えて精緻に物語を構築する文体は、舞城王太郎のそれを彷彿させます。西加奈子の「さくら」と同じ「犬」の話をしているとは到底思えません。
これ確か前の直木賞候補だったように思うのですが、これの受賞は無理でしょう。直木賞がこの規格外の作品を受け入れられるぐらい大人の賞になっているとは思いがたい。そしてそれは本屋大賞にも同じことが言えるわけですが。評価Ａ