ブックショップはワンダーランド

ブックショップはワンダーランド

書店の本かと思って購入したのですが騙されました。これは書店に行って書店員に本の話を聞きに行くという本。セレクトされている書店が、246にナディッフブックファースト渋谷店に南洋堂にデザインブックスにABC青山本店にと、あー永江朗またこんな店ばっかかよ、と一瞬不機嫌になりましたが、後半バランスをとろうとしたのか、紀伊国屋東京堂教文館、ときわ書房にリンドバーグと出てきたので、まぁ許してやろうという気になりました。とは言え前半のオサレ系書店に比べて、明らかに後半のインタビューは永江さんのやる気がないのが目立ちますね。好き嫌いがはっきりしていていいのですが、私と書店の好みが真逆なので、後半のインタビューは私がやったほうが面白い内容になったのに、とか思いましたが、さっきから偉そうに言っているけど何様なんでしょうか私は。
それにしても皆さんものすごい専門知識ですね。「書店員」とちがって私のような「本屋さん」では、なかなかここまでの商品知識を身につけることは至難の業でして、純粋に感心してしまいます。絵本とか国内小説とかミステリとかあたりはついていけるのですが、アート系の話や人文書の話などになるとちんぷんかんぷん。多分私の商品知識といったらこの方々の平均の10%もないのではないかという気がします。まあ、別に専門知識を持った人を雇うことが出来れば、自分がこれらの全ての商品知識をマスターする必要は全くないのですが、逆にあのレベルの本棚を作ろうとするなら、このレベルにある人材を確保しなければならないということなので、それはそれで絶望的な気持ちになれます。
それぞれのお店の定番リストつきですが、これまた微妙なリストだなぁ…。小学館の「芭蕉全句」は知らなかったけど「えんぴつで奥の細道」の隣に置いたら売れるかもしれない。評価C+