ブックストア・ウォーズ

ブックストア・ウォーズ

27歳の亜紀は、大手出版社の編集者と結婚して幸せいっぱい。文芸書はもちろん、コミック、ライトノベルボーイズラブにも気を配り、売り場改革案や人気漫画家のサイン会など、ユニークな企画を次々打ち出している。ところが40歳の独身副店長の理子とは、ことごとく衝突続きの日々。その理子が店長に昇進した直後、6ヵ月後に店が閉鎖されると知った二人は…!?

ものすごく簡単に話を要約してしまうと、書店員版「細腕繁盛記」なんですが、これ、あまりにもリアル過ぎないですか?暗くて救いの無いドヨーンとしたリアルな書店員ライフを、余すところなく書き上げてしまっている前半部分を読んで、かなりゲンナリ。へこみますよ。これは。小説読んでるときぐらい現実を忘れたい、という書店員さんにはちょっとオススメできかねます。
どよーんとした気持ちのまま後半に突入。爽快な話のはずなのに、前半の展開と現実へのフラッシュバックが重すぎて、読み終わった後も、いやーすっきりしたー、面白かったー!と素直に言えません。ラストの展開にしてもリアルすぎて怖いです、この小説。舞台も「吉祥寺にあるペガサス書房」って、もう、なんだかリアルな感じだし、ペガサス書房の社長が創業者の二代目のバカ社長っていう設定も、やたらリアルで怖い。書店員にとっては、ある意味ホラー小説?なのかもしれない。
これから書店員を目指そうという夢いっぱいの人には、かなり夢を壊す本だし、元書店員の人には、書店員時代にうけたトラウマがよみがえってくる本かもしれません。まぁ、それぐらいよく書けてるってことなんですけど。
評価B-