■
- 作者: 朱川湊人
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/04/10
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (48件) を見る
全六篇の怪奇短編集なのですが、幻想的で美しいものから、思わず笑ってしまうお話、ダークで救いの無い話まで、その一つ一つの完成度はとても高いです。個人的に気に入っているのは、「トカビの夜」と「送りん婆」なのですが、特に最初の「トカビの夜」は懐かしく切なく、涙無しには読めない傑作です。著者の朱川湊人さんと私は十歳年が違うのですが、ここに描かれているノスタルジックな大阪の街は、何とかギリギリわかる範囲。昔宮本輝にはまったという方、読んでみてはいかがでしょうか。評価B+