本屋大賞読書週間

ボックス!

ボックス!

あんまり爽やかじゃない(どちらかというと血なまぐさい?)青春ボクシング小説。
ボクシングを題材にしたものとしては、やはり「あしたのジョー」「がんばれ元気」「はじめの一歩」といった漫画界での大傑作があるので、どうしても文章だけだと難しい部分というのはあると思いますが、絵が無いというハンデにもかかわらず、非常にすばらしい筆運びで緊迫感とスピード感あふれる描写が見事でした。一気読みできると思います。
面白いか面白くないかでいうと、面白い小説だと思います。ただ、(「あしたのジョー」+「一瞬の風になれ」)÷3みたいなストーリー自体は、特にひねりもなくて王道の展開なのに、主要キャラクターに読者の感情移入を拒むようなところがあって、何となく期待を裏切られた印象をうけるのは私だけでしょうか。この展開だと、キャラクターはこうあって欲しかったのに、こうなるのかよ、みたいな感じなのです。
それは、ある意味、作者も狙ってやっていることだと思うのですが、好き嫌いは分かれるかもしれませんね。
評価B+