弩

時は南北朝。村を狙う悪党たちに対抗して、村人たちが立ち上がった!楠木の残党を雇い、秘密兵器「弩」で敵を殲滅するのだ!
って、完全にプロットが「七人の侍」なわけですが、面白かったです。
著者の下川さんはもともと脚本家らしく、会話の部分は非常にスムーズで面白く読めるのですが、地の文章がやたらと解説くさいのがちょっとしんどいです。冒頭がそんな感じでつまらなくて結構きついのですが、雑掌代理である光信が赴任するあたりから、もうノンストップで読めます。
話の展開は王道なんですが、主人公の吾輔はじめ、光信などの主役級のキャラが立っていて、なかなか魅力的な歴史小説になっていると思います。
しかし何故にわざわざあんなラストにしてしまったのでしょうか。読後感がよければ、もっと評価もあがるだろうし、それは操作できたはずなのに、そこだけがちょと残念ではあります。
評価B