日本人は知らない
- 作者: 蛇蔵,海野凪子
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/02/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1巻のときと比べると、さすがにネタ的には弱くなってインパクトも薄れておりますが、それでもやはり面白いですね。
「「失礼極まる」と「失礼極まりない」は、どちらが失礼ですか?」
「日本人は、なぜ緑色の信号を青信号と言いますか?」
「黄色、茶色は、「きいろい、ちゃいろい」と言うのに、どうして緑色は「みどりいろい」と言わないのですか?」
といった、前回あった日本人にも答えられない日本語難問ネタは今回は少なかったです。
この2巻は、どちらかといえば生徒さんとの珍問答や文化の違いをテーマにした話が多くて、比較文化論をマンガで軽くあつかった感じに仕上がった本になりました。
「先生ちがいます、車輪のしゃは「写」です」とつっこむ、NARUTOオタクのフランス人ルイ君や、日本語の意味がわからないのにルパン三世のコスプレをしてカリオストロの城のセリフを暗誦できるアメリカ人のスティーブさんなどの新キャラも登場。アニメ好きの生徒さんが最近多いそうで。
章末ごとに挟まれる「外国人の日本化エピソード」という一コママンガや、外国では怖い話は夏にしないなど、まあこれはこれで面白いのではないかと。干支がロシアや南米にもあるなんて、この本読んで初めて知りましたよ。
個人的に大笑いしたネタBEST3は、「もっと早く言って!」「作文のテーマは自由」「失恋」の3本。あと韓国人金姉弟の「日本のお正月を体験してみたレポート」がちょっと面白かった。日本語教師って本当に大変ですね。凪子先生、少ない給料にめげずに頑張ってください!オススメ。
日本人だけが知らない 日本人のうわさ 笑える・あきれる・腹がたつ (光文社新書)
- 作者: 石井光太
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/02/17
- メディア: 新書
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そんな中で個人的に気に入ったエピソードをひとつ。
ある日、中国のウェブサイトに「日本人に少林寺が道場破りされた」という記事が掲載された。中国人たちは騒然とした。記事には次のような説明が書かれていた。
「日本に山本義清という武道家がいる。伊賀忍法の末裔で、様々な道場破りを繰り返してきた男だ。彼は五年間の準備期間を経て、深夜に少林寺の道場破りを敢行し、わずか数分で少林寺の武道家たちを撃退してしまった。山本は『今の少林武術は実戦用ではなく公演用だ』と言い残して去ったという」
中国人たちはこれを信じ、一斉に少林寺を批判した。「少林寺は映画出演とか金儲けばかりに熱心だから、日本人に負けるんだ」などという意見が続出したという。まるで中国の恥さらしだと言わんばかりだった。
だが、この話はまったくのデマだった。少林寺は慌てて「道場破りはデマだ」と訴えたが、なかなか聞き入れてもらえなかった。中国人たちは金儲けばかりしている少林寺の実態を知っていたから、「あいつらが日本人に負けて恥をさらしたのは当然だ」と信じて疑わなかったのである。
この話、この本の中に出てくる噂話で唯一、日本人が正義役?なんですよね…。