かくかくしかじか

かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)

かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)

作者本人の自伝作品である。
話は、高校時代から始まる。当時の彼女は漫画家志望の夢見るアホであったが、自分の絵の才能に絶大な自信だけはあった。しかし、美大を受験することになり、友人に誘われて行った絵画教室で、その自信は木っ端微塵に打ち砕かれることに。
受験まであと何日、という後がない状態から、のちに恩師と呼ぶことになるその超スパルタの先生からの竹刀付熱血指導で美大受験に挑む林明子(本名)であった、というのがこの1巻までの話。続きが非常に気になる。
このスパルタ先生のキャラがすごくよい。エピソードの一つ一つも割とシリアスな展開なんだけど(それは実話だから)、本人がやらかしている行動の一つ一つが(実話なのに)無理なギャグ漫画よりも全然面白いという、最強のエッセイ漫画になっている。美大受験という特殊な世界を描いているのも面白い。ツネちゃんのルーツはここにあったんだね。
それにしても気になるのは、エピソードごとに挿入される「先生、あの頃の私は何わかりませんでした、でも今なら、今ならわかります」的な回想コメント。何だか不穏なフラグが立ちまくり。自伝漫画なのにハッピーエンドにならないなどという展開があり得るのだろうか。目が離せない。