マネーボール
- 作者: マイケル・ルイス,中山宥
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2004/03/18
- メディア: 単行本
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実は6年前に「すごく面白い本がある」と聞いたときに、この本を1600円で購入したんですが、ずっと棚の肥やしにしていたんです。ところが読まないうちに翌年に文庫化。少し悲しい思いをいたものの、それでもめげずに積読を継続していたんです。
今回買ってから6年ぶりに読んでみようかという気になったのは、この秋ブラピ主演で映画公開されることになったからなんですね。というわけで映画予告編がこちら。
ノンフィクションで映画化されるって珍しくないですか。それだけこの本に書かれている野球理論が面白いということなんですが、ちょっとだけご紹介すると。
- 野球はアウト3つでイニング交代になってしまう。となると打者にとって一番重要なのはアウトにならないこと
- 野球の得点数=(安打数+四球数)×塁打数÷(打数+四球数)で決まる。
- となると、打者のDATAで最も重視しなくてはならないのは、アウトにならない確率である「出塁率」。その次に得点に大きくからむ長打率である。打点にはまったく意味が無い。
- 盗塁とバントはアウトを一つ増やしているだけで、統計的には得点から遠のく確率があがるので無意味。
- 野手の守備力はエラー数に反映されない。エラーは無意味。
- 投手の実力は、与死四球数、奪三振数、被長打率だけみればわかる。これらの数字が悪いのに防御率がよいのは、単なる偶然である(打たれているけれども、打球のコースがよかっただけ)
不思議に聞こえる理論もあるかもしれませんが、これらはすべて膨大な統計DATAに基づいた真実から導き出された勝つための公式なんです。でもこうした事実は従来の野球の常識からは大きくずれていたので、アスレチックスは他の球団が獲らない埋もれている選手を発掘してきて安く契約し、活躍したら高く他球団に売る、みたいな芸当ができたのです。それがアスレチックスの野球革命。
こういうの読むと日本のプロ野球についてはどうなんだろうって考え込んでしまいますね。なお、マット・キーオとかセシル・フィルダーとか、昔の阪神ファンには懐かしい顔ぶれもこの作品には登場しますよ。キーオは、アスレチックスでスカウトやってたんですねー。