在日の地図 ~大韓棄民国物語

在日の地図 ~大韓棄民国物語

日本各地に点在するコリアンタウンを訪問して、その発生した歴史的経緯を説明しつつ、「嫌韓流」的な切り口で在日朝鮮・韓国人をバッサリ斬り捨てる本。ちょっと感じ悪いです。
私は幼い頃、宝塚の伊子志という武庫川沿いの町に住んでいたのですが、そこにも集落がありました。いつも赤いものをいっぱい道端に並べて干していて(今思うとそれは唐辛子なんだけど)子ども心に不思議なところだと思っていたものです。親からは「用が無ければあそこにはあまり近づいちゃいけません」と言われてましたが、仲のいい友達がいたので完璧に無視ってました。今思えば、親もひどいことを言ってます。
結構この本は、私にも馴染みの深い場所(鶴橋とか会下山公園とか源平町とか)が掲載されていたので購入したんですが、山野車輪の韓国人に対するモノの見方が、度をこしている箇所がいくつかありました。会下山公園の銅像についての記述なんかがそう。在日の人は震災でなくなった130余名よりも昔強制労働でなくなった13名を優先して銅像をたてた、と書いているんですが、それ明らかに常識的にロジックとしておかしいだろ。全編にわたってオチョクリムードの漂う構成になっており、日韓友好などと表面的にはこの人は言っているけれど、それはキレイゴトで、本音の部分では全くそんなことを思ってもいない、という二面性がはっきりわかってしまって不愉快な本でした。ただ、在日韓国人朝鮮人の個々の集落形成についての背景を学ぶことができる、という意味では勉強になる本だと思いました。評価C