本屋大賞全部読みましたが、どの作品も去年ほどのインパクトはなく、今年は投票を見合わせようかと思いはじめました。実行委員の方からのメールで「本屋大賞には該当作無しはありません」というのがありましたが、もし全国の本屋さんが私と同じようにひねくれた人ばかりで、突然全員が投票を棄権するとか言い出したら、やはり本屋大賞も該当作無しとかになるのでしょうか。
でも現実にはそんなことは起こらないと思われますので、改めて予想をしてみます。
作品の出来栄え 「一瞬の風」「夜は短し」「ミーナの行進」「風が強く」「終末のフール」「失われた町」が、水準以上の出来栄えでした。
この中で、小川洋子はすでに本屋大賞を受賞しているので「ミーナの行進」には票が集まりません。また、三浦しをん直木賞を受賞したばかりな上に、「風が強く吹いている」は、同じ陸上モノである「一瞬の風になれ」に僅差で及ばないので、これも難しいでしょう。これで4作品に絞られました。
この中で不利なのは「失われた町」でしょう。「図書館戦争」がノミネートされるぐらいですから、今回投票している書店員の平均年齢はかなり若く(多分25〜6歳ぐらい)、若い方にはこの作品のテーマが心に響かないと推測されます。
次に毎回複数のノミネートがある無冠の人気者伊坂幸太郎が、今回一作品に絞られたことでどうでるか、ですが、昨年「死神の精度」は3位だったものの「魔王」は最下位でしたから、そもそも去年も一作品に人気が集中していて一作品ノミネートの状況と大して変わらなかったわけです。したがって伊坂の固定ファンががんばっても3位まで、と見るべきでしょう。
さあ、あとは「一瞬の風になれ」「夜は短し歩けよ乙女」の一騎打ちとなりました。結論から言うと、軍配は「一瞬の風になれ」です。理由は3つあって、3冊あるので売上的においしいというのが一点目。読む人を選ぶ森見作品に対して比較的万人にオススメできる良作であるというのが二点目。あと、過去の本屋大賞受賞作はすべて映画化ドラマ化されていますが、「夜は短し」は多分映像化が不可能であろうということ(アニメならできるけど、果たして面白いものに仕上がるのかとなると甚だ疑問)。