カタコンベ (講談社文庫)

カタコンベ (講談社文庫)

史上最年少での江戸川乱歩賞受賞作。文庫化されるまで待っておりました。洞窟探検をモチーフにしたミステリです。洞窟探検でミステリといえば、八ツ墓村とか、孤島の鬼といった古典的名作を思い出しますね。トムソーヤーの昔から、冒険心をくすぐられずにはいられない最高の舞台なのです。
で、この作品ですが、黒姫で新しく発見された洞窟を探検しにいったチームが落盤に巻き込まれ、洞窟の中をさまようというストーリー。どうやらこの洞窟は雨が降ると水没するらしく、それまでに脱出しなければ全員死んでしまう。残された時間はあと5時間!ところが、脱出ルートを探るうち、人跡未踏の洞窟だったはずのこの洞窟に、死体が発見され、メンバーも一人また一人と………
ケイビングという専門的なテーマを題材にした乱歩賞らしい作品でした。冒頭はかの傑作冒険ミステリ「ホワイトアウト」によく似ていて、これは面白くなるかも!と期待して読み進めたのですが、後半の展開がかなり普通で拍子抜け。冒頭のテンションで大仕掛けがほしかったのですが、それは欲を言いすぎでしょうか?評価B−