シンプル族の反乱

シンプル族の反乱

シンプル族の反乱

下流社会」の三浦展氏の新刊です。三浦氏と言えば、世代間のライフスタイルギャップ研究で有名ですが、この本もその中の一冊。
「車を買わない」「海外旅行に行かない」「結婚式は地味婚」「服はユニクロ」「テレビを見ない」「休日に外出しない」「日本が好き」「古いものが好き」「田舎暮らしに憧れる」という特徴をもち、モノを買わない新しい価値観をもつこの世代を、「シンプル族」と呼ぶのだそうです。
シンプル族の考え方は、家父長的伝統的な価値観と違うのはもちろんのこと、物質文明的な発展=善という価値観をもつモダン派とも大きく違っていて、これまでのマーケティング理論は全然通用しなくなっているという指摘がなされています。
自分自身が思いっきり「シンプル族」なので、この本の書いてあることはものすごく腑に落ちるというか、こういう本が出るということは、自分と似たような考え方を持つ層が、ようやく世の主流になってきたんだなぁと共感できる嬉しさも含めて、なかなか感慨深い本でした。「シンプル族の反乱」てありますけど、個人的には反乱している自覚は一切ないので、ちょっとこのタイトルは解せませんけどね。
新しい世代のライフスタイルとして、対極に位置しており、もう一方の主流である「ヤンキー系」とともに、今後シンプル族についてはもっと研究され、語られるべきでありましょう。
最後のほうに世代間格差の例として、とてもわかりやすい対比表が載ってましたので、ちょっと引用します。現在45歳ぐらいの部課長クラスの「バブリー族」は、部下である「シンプル族」のことが理解できないのは、この価値観の違いだという話。まさにうちの上司もこの通りなんですが。

項目 シンプル族 バブリー族
世代 1970年生まれ以降中心 1960-64年生まれ中心
消費の特徴 私有意識弱い・古い物OK・ブランド志向弱い 私有志向強い・新しモノ好き・海外高級ブランド好き
好きなクルマ 軽自動車・プリウス ベンツ・BMW
好きな移動手段 徒歩・自転車 タクシー
好きなファッション ユニクロ・無印 ヴィトン・シャネル・エルメス
食事 和食・マクロビオティック日本茶 イタリア料理・ワイン・スターバックス
食器・家具 日本の陶磁器・柳宗理・中古家具 ウェッジウッドバカラ・カッシーナのソファ
趣味 読書・農業・世界遺産巡り ゴルフ・スキー・テニス・ブランドショッピング
住みたい家 天然木造・古民家 港区タワーマンション・軽井沢別荘
好きな街 吉祥寺・下北沢・高円寺 銀座・青山・六本木
よく接するメディア インターネット 40型以上の大型テレビ