ギヴァー

ギヴァー 記憶を注ぐ者

ギヴァー 記憶を注ぐ者

こないだ東北のある書店で、普段見慣れない本が平台の一等地に山積みされていて、連れとこれ面白いのかなぁなんて言ってると、通りがかった店員さんがそんなわれわれを見て激烈にこの本の素晴らしさをプレゼンしてくれました。
曰く、面白いです、傑作です。もともと児童文学でニューベリー賞をとった作品で昔講談社から出ていたんですが、一度絶版になったんです。読者の復刊リクエストがすごくて、一度は講談社まで話が行ったんですが断られたんですよ。でもみんなそれでも諦めずに、版権ごと買い取って別の出版社から出しなおしたんです。それぐらいの本です。東京でも売っている店は少なくて、こないだここで買われた方から生涯最高の本を紹介してくださってありがとうございましたという手紙ももらいましたよ。
そこまで言われれば買うしかあるまい、ということで買って読んでみたのですが。
確かに、これは、傑作でした。
すべてが管理された近未来の人間社会が舞台のSF(児童文学だけど)。カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』に読後感が似てる。
映画化したら、テーマ的にも色彩的(ここポイントね、白黒映画がよいです)にもとても怖い映画になるだろうな。
最近、本を読んでもわざわざブログに書くほどでもないかなーと、怠惰に更新しておりませんでしたが、この本は流石に読んだらブログに書かなければならないだろうなという義務感が芽生えるほどの作品でして、ただいま久々に姿勢を正して机の前でキーボードを叩いております。