今日買った本

ねずみの騎士デスペローの物語

ねずみの騎士デスペローの物語

もひとつでしたー。斎藤淳夫の「グリックの冒険」「冒険者たち」みたいなのを期待していたのですが、あのような傑作にはなかなか出会えないものです。
とにかく、まず作者の読者を馬鹿にしたものの言い方に腹が立ちます。次にやたらに固定化した封建主義的勧善懲悪な世界観、というか作者の思想に共感できません。そしてこんな本にニューベリー賞をあげなければならないほど、アメリカ合衆国の文化は荒廃しているということは…
評価D
ブックストア―ニューヨークで最も愛された書店

ブックストア―ニューヨークで最も愛された書店

かつてNYでポール・オースターウディ・アレンなど数多くのクリエイターに愛された独立系書店の開店から閉店までの物語です。ちょと読みにくいです。
いろいろなことを考えさせてくれる本でした。私の立場は、と言えば、この本で名指しで非難されているバーンズ&ノーブルズやボーダーズ側、つまりマスに対するアプローチをしている書店ということになるので正直心中は複雑でした。
私は、この本で語られているブックス&カンパニーのような本屋は嫌いではありませんが、困ったことにバーンズ&ノーブルズやボーダーズも嫌いではないのです。渋谷のフライングブックスの山路さんは、マスへのアプローチに限界を感じた、マスへのアプローチでは、心の奥底までに本を届けることはできないと言って、今の店を創られたのですが、私はあきらめていませんし、むしろこうした独立系書店の在り方は自己満足に過ぎないのではないかと疑ってすらいます。
書店はビジネスとして成立させなければなりません。何だかんだ言って紀伊国屋は偉いのです。ピーター・フィルブルックがどんなに優れていても、全米で40人弱のバーンズのバイヤーの仕事の方が偉いと私は思います。
ただ、この本を読んで感じたのは、今まで消費者という部分にしか目をむけていなかったのですが、このような風上により近いアッパーな書店の存在が、クリエイターの手を通して再び読者に還元されることはあるのかもしれない、ということ。
「本を売るということはどういうことなのか」、自問自答の日々です。
スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

11月21日読了。とてもよい。
森博嗣には「はじめから完成されていた作家」という評がつきますが、それはミステリに限った話ではないということなんですね。本作品はファンタジーの部類に入るのでどちらかといえば、女王の百年密室の世界観に近い空気が流れていますが、大学助教授職が片手間に簡単にこういうのを書いてしまうところに、彼のすごさがわかろうというものです。綾辻行人は見習いなさい。傑作は書かずとも、常に猛スピードで水準以上のものを生み出すそのプロ意識を!
とにかく会話が上手い。犀川助教授の意味なしジョークが延々と続くような会話です。逆に森博嗣という作家は、この意味なしジョークの会話が書けるから作家になれたんだと思います。続編もあるようなので、近いうちに読んでみます。評価B
ローマ人の物語 (14) パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (14) パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (15) パクス・ロマーナ(中) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (15) パクス・ロマーナ(中) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (16) パクス・ロマーナ(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (16) パクス・ロマーナ(下) (新潮文庫)

⑭巻は読了。アウグストゥスがいかに帝政を築き上げていくかという主題です。カエサルの後にこういう人物が出てくるのが歴史の面白いところです。曹操のあとの仲達?
今⑮巻の冒頭部分のローマの人口減少対策の話を読んでます。厚生労働省もこれぐらいやれ!
火の粉 (幻冬舎文庫)

火の粉 (幻冬舎文庫)

読了。感想はid:chakichaki:20041223に記載しました。