ときめきイチゴ時代 (講談社X文庫)

ときめきイチゴ時代 (講談社X文庫)

かつて花井愛子が全盛だった時代。講談社ティーンズハートが全盛だった時代を、花井愛子が裏事情も含めて振り返る裏のティーンズハート文庫誕生秘話。まあまあ面白かった。私はティーンズハートは読んだことないのですが、まぁ読まなくてもいいというか、むしろ読みたくない派でしたので、じゃあなんでこんな本読んでるんだ、と花井愛子はこれ読んだら思うのかもしれません。300ページぐらいあるんですが、内容の薄さはやはり花井愛子。わかったことは、花井愛子は本当は国語力がものすごくであるということ。もともと広告業界の人間なので、ライターというよりも、ティーンズハートというレーベル自体を企画プロデュースしたんだということ。なのであの少女小説はマーケットにうけるように作られた「商品パッケージ」であるということ。そりゃ飽きられるのもはやいでしょう。とは言え、10年間で200冊2000万部はすごいです。これは真似出来ない。
ただ、花井愛子さん気づいてないのかもしれないけど、ティーンズハートが売れてないのは、マーケットがなくなったせいではなくて、内容やパッケージが時代に合わせて進化しなかったからだと私は思います。セカチューとかDEEPLOVEを読んで感動してる人って、ティーンズハートが本来とらないといけない客層だと思うんですよね。でも内容が過激化することで読者をつなぎとめている少女マンガに対して、ティーンズハートは変化がなかったし、パッケージのデザインは今から見ると思いっきり古臭いしね。そりゃ売れないっすよ。コバルトとの対比をされていましたが、似て非なるものでしょう。なぜならコバルトは今でも読めますからね。評価C+