ガケ書房
先週OPEN一周年をむかえた京都のガケ書房です。関西ではエルマガで特集されたりしたのでちょっとした有名店になっています。場所は、銀閣寺にもほど近い久渚友も住んでいるという京都のお嬢様用高級住宅地、北白川。京大が近いこともあって、高級でありながらも四畳半的文化もバランスよく入り混じった品のいい街です。ラーメンの美味しいお店もこのへんに集中してるのです。こういうところ好きですね。
そんな北白川の、ガケ書房がこちらです。
うわー、石組みの壁にクルマがめり込んでますよー。やりますねー。元々は普通の寿司屋さんだった物件だそうですが、石組みの壁を手作りで周りに作り上げてしまったのだとか。タダものでない感がほとばしってますねー。
中に入ってみましょう。店内はこんな感じです。http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/gake/mitori.htm
入口はいってすぐに目に付くのは、雑誌の什器です。天井まで柱を何本も通し、梁を面陳棚に使っています。置いてあるのは、おしゃれ系サブカル雑誌のみ。「TOKION」とか「PPP」とか「relax」とか「COMPOSITE」とか「美術手帖」とかね。ベタな雑誌は置いてません。これはかなり徹底されていて「EYESCREAM」がベタに見えるぐらいです。ところどころ直扱いのものもあって新鮮です。「TRUCKWORKS」とかね。あ、これはプチグラになったんだっけか。http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/gake/zassi.htm
では、レジ側の方から、半時計まわりに店内を一周してみます。まず奥壁面は、料理にスポーツ、ライフスタイル系の本が並んでいます。品揃えの雰囲気は、自由が丘+高円寺の不気味な融合という感じ。中に「生き物」という棚もあったりして、異様な感じです。ちょとヴィレッジに似てます。たとえば
- 作者: 植松黎,中井英夫,山崎幹夫
- 出版社/メーカー: エクスプランテ
- 発売日: 2000/09/01
- メディア: 単行本
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次にコミックです。うわぁ、濃いーなぁ。「アストロ球団」とか「タイガーマスク」が全巻揃ってます。お、「夕凪」は面陳だ。まるで私の部屋の本棚を見ているようです。
写真集棚。最近のトレンドにプラスして、ちゃんと九龍城砦や軍艦島の写真集が並んでいます。まるで私の部屋の本棚を見ているようです。http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/gake/books.htm
「文芸日本人」の棚は、何と文庫本と四六判単行本が同じ棚にサイズも関係なく作家名順に並べてあります。うーむ、微妙・・・。時々「文庫本も単行本も混ぜて並べるのが本屋の本当の姿だ、文庫とかサイズでわけるのは間違っている!」と強硬に主張される困った方がいらっしゃいますが、この棚を見て納得していただきましょう。あなたこそ間違っている、と。見づらいだけっすよ。これは。
それにしてもこの文芸棚の作家ラインナップも、まるで私の部屋の本棚を見ているような品揃えです。ミステリが存在しないことを除けば、私と趣味が同じすぎ。あまりにも同じなので逆に目新しい本が見つかりません。
絵画、建築、デザインは、ピエやグラフィック社がメインの棚です。京都書院のアーツコレクションが珍しく置いてあったので、ちょと欲しくなりましたが、我慢します。ここも趣味がおんなじだ。多分店長とは年齢も近いんだろうなぁという気がします。
これで一周してきて入口のそばにもどります。ここには大きな平台があって、一種のイベント空間になっています。実際にライブとかもよくやっているみたい。面白いのはそこに「みんなの棚」というのがあって、お客さんが、自分のオススメ本をコメントつきで陳列できるというスペースがあることです。まさに参加型書店。ここに「シュールの極み!」とだけ書かれた本があって、思わず購入。
- 作者: 二階堂正宏
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 2000/07
- メディア: コミック
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高級感漂うオシャレな空間でありながら、四畳半的雑多な雰囲気を失わない、ある意味北白川という街を象徴するようなお店ですね。京都っぽい。こういう店が普通に出てくるところが京都の奥深さなのでしょう。出版社の数も東京に次いで多い京都。注目作家も多数輩出する京都。名古屋ブームの次は京都(多分)。
ガケ書房の総合評価は75点。いい店ですが、あまりにも私の家の本棚と変わり映えしないため、発見が少なくて減点。超個人的な理由ですみません。あと、入口そばの冷蔵庫に中にタウンページいれてるのには何か意味あるんでしょうか?あれもギャグ?あと、私の家の本棚とあまり変わり映えしない品揃えというのは、ちょとセレクトショップとしては、商材選定が甘いのではないかと思います。自虐的ですが、こういう店は、私の想像を超える本棚であってほしい。